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高校生が勉強しない時の親の関わり方——「勉強しなさい」をやめて、管理役を降りる4つの手順

高校生が勉強しない時、「勉強しなさい」より、やることを決める仕組みを用意する

「勉強しなさい」
「今やろうと思ってたのに」

言わなければ勉強しない。言えば喧嘩になる。毎日このくり返しに疲れている保護者の方へ。声かけを強くするのでも放っておくのでもない、親が管理役を降りる関わり方をまとめました。

帰ってきたらスマホ、夕食のあともスマホ。「テスト前でしょう?」と言うと、「わかってる」「今やろうと思ってた」と返され、部屋のドアが閉まる——。高校生のお子さんを持つ保護者の方から、とてもよく聞く場面です。

高校生が勉強しないように見える時、その多くはやる気がないのではなく、何を・どの順番でやればいいかが決まっていない状態です。そこに「勉強しなさい」と言われても、本人は何から手をつければいいかわからないまま、責められている気持ちだけが残ります。

この記事では、「勉強しなさい」が逆効果になりやすい理由と、親がやめたほうがいいこと、そして親が管理役を降りて応援する役に戻るための4つの手順を整理します。中学生のお子さんを持つ方にも、そのまま使える内容です。

結論

高校生が勉強しない時、「勉強しなさい」と言う回数を増やしても、多くの場合は逆効果です。勉強しない理由の多くは「やる気」ではなく「何をやるかが決まっていない」ことなので、親は声かけをやめる代わりに、やることが決まった計画と、それを確認する仕組みを用意する役に回ってください。計画と毎日の確認を家庭の外に任せると、親は応援する役に戻れます。

きょうやる受験塾の塾長

この記事を書いた人|きょうやる受験塾 塾長

石川県出身。地方から塾なしで東大文一に合格。開講前の個別指導で数十人を担当(東京大学 文科二類・早稲田大学・法政大学 など)。

「勉強しなさい」が逆効果になりやすい理由

「勉強しなさい」が逆効果になりやすいのは、「何をやるか」を教えないまま、「やっていないこと」だけを指摘する言葉だからです。

高校生になると、勉強の量も科目も一気に増えます。英語の単語、数学の課題、来週の小テスト、模試の復習——やることが多すぎて、どれから始めればいいか決められない。その状態で「勉強しなさい」と言われても、本人の中では何も決まりません。決まらないまま責められると、「わかってる」と返して話を終わらせたくなります。

東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所の共同調査「子どもの生活と学びに関する親子調査2021」(小4〜高3の約1万人の回答を2019〜2021年で比較)では、3年間で学習意欲が上がった子は11.2%、下がった子は25.8%でした。そして、「勉強の仕方が分かるようになった」「進路について深く考えるようになった」と感じた子ほど、学習意欲が上がりやすかったと報告されています。意欲は、言われる回数より、やり方と目的がわかることで動きやすいということです。

高校生が勉強しないように見える4つの理由

勉強しないように見える理由は、大きく「何をやるかわからない」「量が多すぎて始められない」「やっても成果が見えない」「時間と体力が足りない」の4つです。理由によって、親ができることも変わります。

理由よくあるサイン親ができること
何をやるかわからない机に向かっても、教科書をめくって終わる。「何やればいいの?」と言うやることを決める計画を用意する(親が作らず、作れる人に任せる)
量が多すぎて始められないテスト前になると逆にスマホが増える。「どうせ間に合わない」と言う今日やることを1〜3個に絞る。全部ではなく「今日の分」だけを見る
やっても成果が見えない勉強したのにテストが悪く、やる気をなくしている点数ではなく、間違えた理由を一緒に見る。続けたことを認める
時間と体力が足りない部活や通学で疲れて、帰ると寝てしまう平日は15〜20分の「最低限やること」を決め、休日で取り戻す

どの理由でも共通しているのは、「やる気を出させる」より「やることを小さく決める」方が早いということです。成績が動かない時の原因の見つけ方は「塾に通っても成績が上がらない高校生へ」でも解説しています。

親がやめたほうがいい3つのこと

親がやめたほうがいいのは、回数を増やす・比べる・毎日の中身まで管理するの3つです。どれも親の心配から出る自然な行動ですが、続けるほど親子の会話が減っていきます。

  1. 「勉強しなさい」の回数を増やす:言う回数が増えるほど、子どもは聞き流すことに慣れていきます。そして、勉強の話そのものを避けるようになります。
  2. きょうだいや友だちと比べる:「○○ちゃんは毎日やってるのに」は、やる気より反発を生みます。比べるなら、本人の先月と今月です。
  3. 毎日の勉強の中身まで親が管理する:「今日は何ページやったの?」と毎晩確認すると、親は監視する人になり、子どもは報告のための勉強になりがちです。中身の確認は、家族以外の大人の方がうまくいくことが多い部分です。

親が管理役を降りる4つの手順

親が管理役を降りるとは、「勉強させる人」をやめて、「勉強できる環境を整える人」に役割を変えることです。放っておくこととは違います。次の順番で進めてください。

  1. 1週目:「勉強しなさい」を言わない週をつくるまず1週間、勉強についての声かけをやめてみます。本人に「しばらく勉強のことは言わないね。そのかわり、週末に少しだけ話そう」と先に伝えておくと、放っておかれたとは感じません。
  2. 1週目:家のルールを本人と一緒に決めるスマホを置く場所、夜は何時まで、など。親が一方的に決めるのではなく、本人が守れる内容を一緒に決めます。勉強の中身ではなく、勉強しやすい環境のルールにするのがポイントです。
  3. 2週目から:「何をやるか」を決める仕組みをつくる志望校や次のテストから逆算して、今日やることまで決まった計画を用意します。本人が自分で作れればそれで十分です。難しければ、学校の先生、塾、学習管理のサービスなど、計画を作れる人に任せます。計画の立て方は「大学受験の勉強計画の立て方」で解説しています。
  4. 毎週:話すのは週1回、決まった時間だけ週末などに10分だけ、「今週うまくいったことは?」「来週困りそうなことは?」と聞きます。結果を責めるのではなく、続けたことを認める時間にします。

声かけを変えるなら

「勉強しなさい」の代わりに使いやすいのは、「今日は何からやる予定?」より「何か手伝えることある?」です。前者は確認、後者は応援に聞こえます。テスト前は「夜食いる?」くらいの距離感で十分です。

計画と毎日の確認を第三者に任せると、何が変わるか

計画づくりと毎日の確認を家族以外の大人に任せると、親子の会話から「監視」と「お説教」が消え、親は応援する役に戻れます。

同じ「今日の分、終わった?」という確認でも、親から言われると干渉に聞こえ、塾の先生やコーチから聞かれると「仕事のやりとり」として受け取れる——高校生にはよくあることです。家族だと甘えも反発も出るのは自然なことで、それは親子の関係が悪いからではありません。

「やる気がない」と言われていた子が、その日にやることが決まった途端に動き出すことは、珍しくありません。必要だったのは気合いではなく、今日やることが小さく決まっていることと、それを誰かが毎日見ていることでした。

学年ごとに、いつから塾やサポートを考えるかの目安は「大学受験の塾はいつから?」にまとめています。

よくある質問

「勉強しなさい」と一切言わないと、本当に勉強しなくなりませんか?

言わなくなっただけでは、何も変わらないことが多いです。大切なのは、声かけをやめる代わりに「何を・どの順でやるか」が決まった計画と、それを確認する仕組みを用意することです。言うのをやめるのは、仕組みに置きかえるためだと考えてください。

スマホばかり触っている時は、取り上げた方がいいですか?

いきなり取り上げると、反発して話し合いができなくなりやすいです。勉強する時間帯だけ別の部屋に置く、夜は何時までにするなど、本人と一緒にルールを決める方が続きます。ルールは親が一方的に決めず、本人が守れる内容にしてください。

部活で疲れて帰ってきて、何もしない日が続いています。

疲れている日に長時間の勉強を求めるより、15〜20分でできる「最低限やること」を決めておく方が続きます。英単語や前日の復習など、短くても毎日続けられるものを選び、休日にまとめて取り戻す計画にしておくと、部活と両立しやすくなります。

親が勉強を教えた方がいいですか?

高校の内容を親が教えるのは負担が大きく、親子の言い争いのきっかけにもなりやすいです。わからない問題を質問できる先や、計画を見てくれる人を確保するのは親の大切な役割ですが、教える役と確認する役は家庭の外に任せた方がうまくいくことが多いです。

まとめ

  • 高校生が勉強しない理由の多くは、やる気ではなく「何をやるかが決まっていない」こと
  • 「勉強しなさい」は、やることを教えずにやっていないことだけを指摘するので逆効果になりやすい
  • 親は回数を増やす・比べる・中身まで管理するをやめる
  • 手順は言わない週をつくる → 環境のルールを一緒に決める → やることを決める仕組み → 週1回だけ話す
  • 計画と毎日の確認を第三者に任せると、親は応援する役に戻れる

「勉強しなさい」を言わずにすむ家は、子どもが急にやる気を出した家ではなく、やることが決まっている家です。まずは1週間、言わない週から始めてみてください。

きょうやる受験塾の塾長

きょうやる受験塾 塾長(東大卒)

石川県出身。地方から塾なしで東大文一に合格。開講前の個別指導で数十人を担当(東京大学 文科二類・早稲田大学・法政大学 など)。

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